Health Tech/テクノロジーが実現する未来の健康管理

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こんにちは。
イードア広報担当です。

 

ヘルスケア業界では、IT関連の職が2010年以降10年間で21%増加するという、シカゴ大学の調査結果があります。近年Google、AppleなどのIT企業が、相次いでヘルスケア分野に参入しているのです。

 

背景には、高齢化の進行による健康で長生きすることへの関心の高まり、そしてスマートフォンの普及やウェアラブル端末の登場によりデータ取得が容易になったことがあります。

これまで個人がヘルスケアに関連するデータを可視化するためには、手入力の手間から困難と考えられてきました。これらのデバイスの功績は、その収集を可能にしたことです。

 

今回は、米国IT4強といわれるGoogle, Apple, Facebook, Amazonそれぞれのヘルスケア分野への事業開発アプローチについてまとめてみました。

 

 【xxTechシリーズ第4回:Health Tech/テクノロジーが実現する未来の健康管理】

◆Google ~老化と病気を遺伝子・バイオテクノロジーで解決~

事業の多角化が著しい同社では、昨年持ち株会社のAlphabet(アルファベット)を設立、Google本体含め関連子会社を傘下に収めるグループ体制となっています。そのなかでもヘルスケア系のR&Dを行っているのが、元Appleの取締役であるアーサー・レビンソン率いるCalico(カリコ)です。ここでは「アンチエイジング」をテーマに、遺伝子などバイオテクノロジーを活用した研究を行っているといわれます。

 

同じくライフサイエンス分野の子会社Verily(ヴェラリー)が目指すのは、ヘルスケアのプラットフォームとなるソリューションを作り出すことです。背景には、ウェアラブル端末などから日々収集される膨大なデータが、現在活用されないまま捨てられていることがあります。涙からグルコースのレベルを測定できる糖尿病患者向けのスマートコンタクトレンズや、パーキンソン病などで起こる震えを検知し止めるスプーンなど、幅広い開発が行われているようです。

 

そのほか、Google Venturesなどベンチャーキャピタルの投資先も含めると、同社の見据えるヘルスケアの未来像の深遠さが窺われます。

 

◆Apple ~iOSを中心としたヘルスケアログのプラットフォーム~

中心となるサービスは、2014年にiOS8の新機能として追加された「へルスケア」アプリです。このアプリは単体では真価を発揮しません。

 

「HealthKit」という、ほかのアプリで収集した健康に関するデータをこれに連携し、集約する開発者向けツールの存在が重要になります。つまり、各iOSアプリで集まられた運動や睡眠など健康関係のデータが、自動的に「ヘルスケア」アプリと共有され、まとめて表示される仕組みなのです。米国では14の著名な病院が「HealthKit」の試験プログラムをテスト済み、またはそれにつき協議中といわれます。現在同社は記録したデータを活用し切れていませんが、医療機関との連携により、遠隔地の患者を適切にモニタリングし、急増する医療コストを削減するための切り札となる可能性があります。

 

これだけではありません。続いて昨年発表された「ResearchKit」は、医療研究用のオープンソースプラットフォームです。これは、医療研究従事者が同意を得た患者のデータを被験者として登録、研究することができるツールであり、てんかんや喘息の研究の発展につながっています。また、直近では患者自らのケアに特化したツール「CareKit」が、今年3月に発表されました。

 

このように、AppleはiPhone、Apple Watchとそのアプリを中心に、ヘルスケア領域でエコシステムを構築することを目指しています。しかし当然ながら、Androidを擁するGoogleも同様の地位を狙っている領域です。

 

◆Facebook ~患者同士がSNSでつながるオンラインサポートコミュニティ~

具体的なサービスはまだ発表されていませんが、ヘルスケア領域で先行する上記2社を追随する動きがあるとみられています。

 

例えば2014年のロイター独占記事によると、同社はSNS上で患者同士をつなぐオンラインサポートコミュニティの構築を検討中であるとのことです。これは同じ健康状態を抱える患者同士をFacebook上でつなげ、生活習慣についてのアドバイスを提供したり、運動・食事などの情報共有の場をつくりあげ、闘病を支援する試みです。また、予防医療に関わるアプリケーションの開発により、ユーザーのライフスタイル改善支援に取り組むともいわれます。

 

2014年4月には、フィンランドのProtoGeo社を買収したことも話題になりました。こちらは、歩く、走るなど1日の行動を自動で記録するアプリ「Moves」を開発した企業であり、ヘルスケア事業に参入するための買収ではないかとの見方があります。

 

そもそもオンラインコミュニティーは、従来から同じ症状を抱えるユーザー同士の貴重な情報源となってきました。そのため、このようなサービスは同社の新規ユーザー獲得に資するものになると考えられます。

 

◆Amazon ~医療機器から収集したヘルスケアデータをクラウドで分析~

Eコマースにおいて世界中で不動の地位を築いているAmazonですが、現在同社の営業利益のおよそ5割を占めているのは、企業向けクラウドソリューションのアマゾンウェブサービス(AWS)です。

 

そのAWSと、欧州電機メーカー大手のPhilips(フィリップス)が提携し、ヘルスケアプラットフォーム「フィリップス・ヘルススイート」を構築、既に同社製700万台以上の医療機器からデータを取得しています。

 

両者は今後、100か国9億7千人のユーザーと数億台分の医療機器やセンサーから収集した膨大なデータを、AWSのインフラを使って蓄積、分析し、医療従事者や個人へ提供していく構想をもっています。

 


ヘルスケアは超高齢化社会を迎える日本でも確実に需要の高まる分野であり、今後の展開が非常に注目されます。各IT企業が競ってデータプラットフォームの構築を進める中、私たちの健康管理に対する意識も変化していくかもしれません。

 

 

 

※参考

http://lip4girls.com/lipclip/verily-start-as-google-life-science-venture/

http://japan.cnet.com/news/business/35060045/

http://japan.cnet.com/news/business/35054712/