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NEWS
こんにちは。
イードア広報担当です。
ロボットが植物を育てる「植物工場」、SFのような未来が間近に迫っています。
京都府亀岡市に本社を置く株式会社スプレッドは、現在同社が保有する植物工場で2017年までにロボットによるレタス栽培を実現する、と発表し、世界初の取り組みとして注目されています。
4400平方メートルの工場では、現在一日にレタス2万1千株が生産されています。これだけでも世界的には非常に高い生産性といえますが、これがロボットによる労働に代替されることにより、一日あたり3万株まで生産高を増やすことができるといわれています。
また、生産高だけではありません。ロボット導入により、人件費の50%、エネルギー使用の30%もの削減が可能になり、レタス栽培に必要な水の98%がリサイクル可能になるとのことです。
従来生産コストの高さが懸念されていた室内農業ですが、テクノロジーの進歩がその現状を変えつつあります。
米国フロリダ州にあるリッツカールトン・ネイプルズホテルでも、輸送用コンテナを再利用した屋内水耕栽培で収穫された野菜を、レストランで提供するおもてなしが行われています。
このように1次産業である農業が2・3次産業まで業務展開される経営の多角化事例を指して、日本では農業の6次産業化といわれることもあります。
今回はこのような農業×IT、通称AgriTech分野でのイノベーションに、どのようなことが期待されるのか、まとめてみました。
【xxTechシリーズ第3回:AgriTech/これからの農業に期待されること】
◆高齢化に伴う労働力不足の解消
農業の担い手の間で大きな課題となっているのが、農業従事者の高齢化による労働人口の減少、そして後継者不足です。
農林水産省の調べによると、国内農家の平均年齢は66.8歳で、65歳以上が6割強を占めるといわれています。
人手不足の原因は、新しい世代が低賃金で農業に従事したいと考えにくいことや、設備投資など初期コストの高さが挙げられます。一般に新たに農業を始めた場合、初年度から高い売上が立ちにくいことから、大きな赤字からのスタートになってしまいます。
これに対し、ITを活用した自動化の導入事例として、自動運転農機があります。欧米では、米Deere & Company(ディア・アンド・カンパニー)など大手が市場を独占していますが、日本でも株式会社クボタなど数社が開発を行い、水田での自動運転技術を確立しています。
また、人手のかかる土壌調査の分野では、ヤンマー株式会社が土に含まれる水分や酸性度を離れた場所から測るセンサーをドローンに装着。土壌を診断し、肥料を選定するなど土壌改良に活用しています。
◆気候変動・食糧危機への適応
干ばつや気温変動など、気象の変化が農業に与える影響は計り知れません。
世界銀行によると、今後2~30年のうちに現在のトウモロコシ栽培地帯の40%で栽培ができなくなるといわれています。
一方で、世界の人口は2050年までに100億人に迫る見通しで、現在より6割の食糧増産が必要とされています。
このような全世界的な課題に対し、解決策となる可能性を秘めているのがビッグデータです。
米The Climate Corporationでは、独自のセンサーや人工衛星から収集した気候・農家のフィールドデータを管理し、将来の見通しを立てるアプリケーションを開発しています。
膨大に収集されたデータの解析は、サバンナなど従前は農業に適していないとされていたような土地での食糧生産を可能にするかもしれません。実際、すでにNASAは火星でジャガイモを栽培するプロジェクトを遂行中です。
1次産業である農業は、テクノロジーの活用が比較的進んでおらず、イノベーションが起きる余地がまだまだありそうです。
今後の食糧問題を含め、持続可能な農業のあり方について、私たちも考えていく必要があるかもしれません。
※参考
http://agrinasia.com/archives/824
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ19I3W_Z10C16A1EA1000/
http://agrinasia.com/archives/867