■記事の概要■
M&Aを成功に導くために準備すべきことを、「成功例」と「失敗例」からお伝えします。

■目次■
# 01 M&A市場の現状
# 02 成功するM&Aと失敗するM&A
# 03 失敗しないM&Aのために必要なこと

これまで「企業長寿大国」といわれた日本において、経営者の高齢化や人手不足といった問題など、
中小企業における様々な問題は顕在化しはじめ、旧来の経営手段での限界が訪れています。
今や、「事業承継」や「アトツギ」問題は経産省はじめとした官を含めた日本経済全体の課題といえます。

同時に、その経営手段の一つである「M&A」というキーワードは広く知れ渡るようになり、
広く認識されるようになってきました。
しかし、多くの経営者の話では「自社はM&A(売却・買収)ができる会社ではない」や
「検討を行ったことはあるが満足のいく結果を得られなかった」といった声をいただくことがございます。

今回は、そういった経営者やM&A担当の方向けに「いかにM&Aを活用すべきか」、
「どのようにM&Aを進めれば良いのか」を当社の事例と市場の背景からお伝え致します。

こんな方に是非読んでいただきたい

・株式・事業の譲渡を考えているが譲り受ける先が確定せず不安に思っている経営者の方
・承継を考えているがどうしたら良いか分からない方
・これまで買収を検討してきたものの良い案件が見つからないというM&A担当の方
・過去に商談を行ったことはあるものの成約まで至ったことがないM&A担当の方
・これからM&Aを検討される方


#01 M&A市場の現状

近年、日本国内におけるM&Aの件数は増加傾向にあり、リーマンショックの影響で2009年に大きく案件数が落ち込んで以降、
2012年から8年連続の増加を記録し、2019年は過去最高の4,088件のM&Aが成約しています。
また2020年現在コロナ下で、事業ポートフォリオ見直しなどにより国内M&Aは増加していくことが予想されています。

知っておきたいM&A増大3つの背景 
<①法整備/②認知/③機会>

① 法整備
近年の経営者高齢化と後継者不足による事業承継ニーズが増加していることから、
2008年に「事業承継税制」が創設され、相続税と贈与税の納税が猶予もしくは免除されました。
今後、さらなる税制改正により、ベンチャー企業のM&Aなどでの税制優遇が受けることが出来るようになるという見通しもあり、
さらにM&Aは加速していくのではないかと想定されます。
(参考:日本経済新聞「ベンチャー投資、税で後押し 社外の力で革新」)

②認知
十数年前までは、あまり良い印象を持たれなかったM&Aですが、時代の変化と共に、
経営手法の一つとして、認知されるようになってきました。
M&Aが経営・事業戦略の一つとして選択され、「良い効果」が得られる企業増えたことで広く認知されてきています。

実際に大手企業の大型M&A以外にも、中小企業が行う中小型のM&Aが増え、
中小企業のM&A仲介を手掛ける上場企業では、2012年に比べ2017年度は3倍超となっています。
(参考:中小企業庁「深刻化する人手不足と中小企業の生産性革命」)

③機会:M&Aプラットフォームの発展
認知の拡大と同時に広がってきた背景にM&Aプラットフォームの存在も欠かせません。
現在では12社を超えるM&Aプラットフォームが存在し、これまで限られた「資金のある」企業が行うM&Aも、
投資金額が数百万円~数千万円といった小規模な取引も多く成立しています。
M&AマッチングプラットフォームではWeb上で情報が公開され、
かつて一部の人が持っていたM&Aの売り手・買い手の情報の公開・一般化され、M&Aという経営の選択肢が一般化されはじめています。


■中小企業のM&Aの現状 

上記にて日本全体のM&A市場についてみてきましたが、中小企業にとってのM&A市場について整理します。

中小企業のM&Aの実施状況については、実取引が公表されないことも多く正確なデータを取得することはできません。
しかし、公開されているデータだけでも、中小企業が関わったM&A成約件数は、
2017年で526件となっており、これは2012年の数値と比較すると3倍に成長しています。

さらに注目すべきは、中小企業が大企業よりも2倍以上の買収実績がある ということです。
このデータが示すのは、中小企業の中で、M&Aが経営手段の一つとして浸透してきていることを表しているものと考えております。
(参考:中小企業庁「深刻化する人手不足と中小企業の生産性革命」)


#02成功するM&Aと失敗するM&A

■成功したM&Aの実態

事業成長の手段として 、買い手がM&Aを検討する理由(メリット)には、
・売上増加を目指した販路拡大のため
・人材調達難に対しての人材リソース獲得のため
・新規事業進出のため

などが多く昨今では
・DX(デジタルトランスフォーメーション)のためにIT企業を傘下に収める
という理由のM&Aもご支援させていただく機会が増えています。

一方、売り手としては、
・事業承継のためのM&A
・スタートアップ企業のエグジットの手段としてのM&A

以外に、事業成長の手段として、
・資金調達を目的としたもの
・経営基盤の安定を目的としたもの

があります。

具体的には、販路獲得・ブランディング強化・間接業務などの共通化による事業運営への集中などがM&Aによって実現しています。


■失敗するM&Aの実態

しかし、実際は「M&Aのコストに対するリターンが得られなかった」という、
事業メリットが得られなかったM&Aも少なからずあるのが現状です。

具体的には、従業員の流出や経営統合(PMI)の失敗、さらに、
買収前の調査(デューデリジェンス)で発見できなかったリスクが顕在化したことによる各種損失の発生などがあります。

これらの結果、売り手・買い手の双方ともに、期待する効果に反比例し、
損失を被ることになるM&Aの結果が存在することも現実的な問題として挙げられます。


#03失敗しないM&Aのために必要なこと

これらの失敗を回避するためには、企業経営者ならびにM&A担当者はどのように備えればよいでしょうか。

失敗したといわれるM&Aの共通点は「検討」の不十分さにあります。
買い手・売り手の双方共に、M&Aの事前準備・実行・統合の各フェーズにおいて十分な検討が必要になるといえます。

以下に「検討」を充分にするための検討対象を提示します。

①事前準備のフェーズ
「目的と期待効果」を明確に定義する
②実行フェーズ
両社の信頼関係の下にオープンかつスピーディーに情報を開示しながらスムーズに交渉を進める
③統合フェーズ(PMI)
慎重かつスピーディーに企業の統合作業を進めていくこと


弊社では、これまで、買い手・売り手の双方の企業様のご要望に応じて、様々なM&Aのご支援を行ってきました。
次回は上記検討フェーズ別に売り手と買い手が気を付けるべきことをお伝えします。

※弊社のコンサルティングのスタイルでは、「経営者の価値観」を重要視しています。
M&Aとは、経営者同士の価値観のマッチングでもあると考え、M&Aの検討~実行を通して、
真に事業成長に繋がるM&Aの成約をご支援させていただきます。

表面的な事業面のシナジーだけではなく、
経営が掲げる理念や想いが一致する企業様同士のM&Aの実現に向けたご支援をご用命の企業様は是非ともお問合せください。


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担当 大崎 麻里
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