これまで「企業長寿大国」といわれた日本において、経営者の高齢化や人手不足といった問題など、
中小企業における様々な問題は顕在化しはじめ、旧来の経営手段での限界が訪れています。

今や、「事業承継」や「アトツギ」問題は経産省はじめとした官を含めた日本経済全体の課題といえます。

同時に、その経営手段の一つである「M&A」というキーワードは
広く知れ渡るようになり、広く認識されるようになってきました。

今回は、経営者やM&A担当の方向けにM&Aを成功に導くために事前に把握しておくべき事と、
M&Aを行うにあたり対応すべきことについてご紹介します。

是非ご一読いただき、今後の経営戦略の参考にしていただければ幸いです。

■目次■
# 01 M&A実施後に発生するリスク
# 02 企業統合におけるリスク
# 03 従業員の離職防止理由と対策
# 04 円満な企業統合を行うための手法
# 05 企業統合の成功事例

#01 M&A実施後に発生するリスク

M&Aには業務の効率化や売上・利益の拡大、
人材の有効活用などによるシナジー効果が期待できる一方で、リスクも潜んでいます。

リスクが顕在化すると、
M&Aの効果が半減されてしまうことや結果として失敗に終わることもあります。
そのため、M&Aにおけるリスクを事前に理解し、
リスクが現実化しないために対策を打っておくことが大切です。

<譲渡企業(売り手)のリスク>
● 財務面でのリスク
M&Aを実施する際には、色々な書類や資料の提出が求められます。
しかし、提供した書類や資料からでは見えないリスクが潜んでいる可能性があります。
そのリスクが「簿外債務」「偶発債務」と呼ばれるものになります。

簿外債務とは、退職給付引当金や貸倒れ引当金など、
まだ支払いが発生していない費用について貸借対照表に計上されていない債務のことです。

偶発債務とは、現段階では発生していないが、
将来一定の条件が成立した場合に発生する債務のことです。

これらを事前に譲受企業に発生のリスクを伝えていない際は、
事実を伝えずに企業を譲渡したとみなされ、多額の賠償に発展する可能性もあります。

● 経営面でのリスク
M&Aの情報が従業員や取引先に漏洩してしまった場合、
離職される可能性やこれまでと同じ条件での取引ができなくなる可能性があります。

また、譲渡後に従業員の待遇が改悪されたり、雇用が継続できなくなる場合も考えられます。

<譲受企業(買い手)のリスク>
● 財務面でのリスク
譲渡企業(売り手)から共有される貸借対照表などの資料に計上されていない
簿外債務などの財務リスクが潜んでいる可能性があります。

● 経営面でのリスク
経営者同士が納得していても、従業員が納得していない場合は、
統合後にキーマンとなる優秀な人材や大量離職などの発生が起きてしまう可能性があり、
期待していたシナジー(相乗)効果が生まれないリスクもあります。

#02 企業統合におけるリスク

企業統合は2つあるいは、それ以上の複数の企業が一緒になることです。
リストラなどは行わず、すべての従業員の雇用を維持する際にも
問題が生じるため注意しなくてはなりません。

対等な条件での統合であっても生じやすいのが、
これまでとは異なる企業文化の醸成や働き方の違いです。

企業の歴史の長さと問わず、一つひとつの企業には社風や文化があり、
仕事の進め方やノウハウも独自のものがあります。
同じ業種で統合し、同じ職種であっても、互いのやり方が違う、
考え方が違うなどで衝突することも少なくありません。

いずれかのやり方や価値観、社風などが優勢となり、
もう一方の従業員の居場所がなくなったり、違いに違和感を抱き、
自分たちの理念で仕事ができないとモチベーションが低下したり、
離職につながるリスクもあります。

#03 従業員の離職防止理由と対策

統合したことで大きな企業になった、雇用や経営が安定する、
収入がアップするなどと喜ぶ従業員も一部にはいる一方、
これまでの小さな企業に愛着を感じ、信念をもってやってきた従業員も少なくありません。

企業統合への反発をはじめ、統合後も仕事のやり方が違う、働く環境が変わってしまった、
上司や同僚との人間関係が築けない、役職から外れた、収入が減ったなどさまざまな理由から、
モチベーションが下がって離職につながるリスクがあるので注意が必要です。

離職を防止するには、企業統合前に統合後の仕事のやり方や運営について、
従業員の意見も募って、しっかりと詰めておくのも一つの方法です。

もっとも、上層部だけで決めざるを得ないケースも多いため、
統合後の従業員間のコミュニケーションをしっかり取る場を設けていくことが対策になります。

統合の成果が出せるよう、頻繁に話し合いの場を設け、仕事のやり方や方針の統一、
より良い方法を現場の声で形成していくことが大切です。

#04 円満な企業統合を行うための手法

企業統合を円満に行うには、互いの従業員への理解を深めるともに、
いずれかに偏った経営や業務運営を行うのではなく、
新たな方針や業務運営の基準を定めることが求められます。

コンサルタントなど中立的な第三者に間に入ってもらうことや
いずれの会社にも関係ない外部の人材をヘッドハンティングしてリーダーになってもらい、
それぞれの企業の良い面と改善すべき点を洗い出し、
より望ましい新たな指針ややり方を考案してもらうことをオススメします。

#05  企業統合の成功事例

実際にM&Aを成功させている企業様の事例を紹介いたします。

【従業員の離職を抑止できた企業統合の成功事例】

経営陣が従業員に対して、なぜ統合するかや統合によるメリット、
統合後の方針など早期に方針を提示しておりました。

また、統合後の組織におけるポストの提示や統合後の組織の評価基準や
インセンティブの提示も有効に機能しました。

単にこれまでと同等の職場や環境が維持され、
給与も維持されるといった処遇の維持だけでは、従業員の離職は防止しきれません。
企業統合後も、意欲的に仕事に取り組むための評価や報酬制度を新たに整備すること、
将来の見通しや統合によるメリットや企業成長などの期待について
経営陣からのしっかりとメッセージを発信していくことも成功のために必要です。

 

弊社では、これまで、買い手・売り手の双方の企業様のご要望に応じて、
様々なM&Aのご支援を行ってきました。

M&Aとは、経営者同士の価値観のマッチングでもあると考え、M&Aの検討~実行を通して、
真に事業成長に繋がるM&Aの成約をご支援させていただきます。

表面的な事業面のシナジーだけではなく、
経営が掲げる理念や想いが一致する企業様同士のM&Aの実現に向けた
ご支援をご用命の企業様は是非ともお問合せください。

 

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担当 大崎 麻里
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