従来の中小企業では親族を後継者として引き継ぐことが一般的でしたが、
少子高齢化をはじめとした様々な理由から、会社の経営権を引き継ぐ後継ぎが
見つかっていない企業が増えてきております。

帝国データバンクの調査によると、日本企業の65.2%にあたる約18万社で
後継者不足の状況に陥っており、多くの企業で深刻な後継者不足に悩まされていることが分かります。

今回は、後継者問題に悩む中小企業の経営者向けに、
後継者不足の現状や原因、またその解決策についてご紹介します。

是非ご一読いただき、今後の事業承継の参考にしていただければ幸いです。

■目次■
# 01 後継者問題が起きている背景
# 02 後継者問題の解決策
# 03 それぞれの解決策のメリット・デメリット
# 04 解決策を実行するにあたっての注意点
# 05 後継者問題に対して準備により成功した事例

#01 後継者問題が起きている背景

日本で後継者問題が起きている背景の一つには少子高齢化があります。
事業を引き継ぐ子供がいない、子供がいても別の仕事に就くなどして
家業を継がないというケースも少なくありません。

一方、社内で後継者を育成したくても、うまくいかない現実もあります。
ベテランの従業員は技術やノウハウは有していても、
これまで経営マネジメントをする立場としてトレーニングをしていなかったため、
後継者としての器がなく引き受けてもらえないこともあります。

また、若手人材は少子高齢化の影響などもあり、人材不足で育っていない、
すぐに離職してしまうなど、後継者人材が社内で育てられないのも問題です。

#02 後継者問題の解決策

後継者問題を解決するには、早めの対策が欠かせません。
中小企業の中には社長が高齢化してから、
もしくは、病気や急逝などで経営ができなくなってから、
はじめて後継者選びに慌てるケースも少なくありません。

勇退の時期や事前承継のタイミングを早くから考え、
後継者の選定や育成、承継に向けての社内や社外からの信用獲得や信頼関係の構築など、
計画的に行っていくことが大切です。

早期からの後継者選びや育成、承継に向けた解決策として、
1. 親族から後継者を見るける
2. 社内から候補者を選ぶ
3. 社外からヘッドハンティングする
4. M&Aにより株式譲渡する
など大きく4つの方法が考えられます。

#03 それぞれの解決策のメリット・デメリット

選択肢が複数ある中で、それぞれのメリット・デメリットをお伝えいたします。

1. 親族から後継者を見るける
<メリット>
日本では親族内で会社を引き継ぐことが多いため、
従業員や取引先にとって受け入れやすく社風などが守りやすい。

<デメリット>
仕事や会社のことを十分知らないままに社長の座に座ることで、
従業員が抵抗感や今後の不安を感じて離職する点や取引先や銀行から
信頼が得られない点が挙げられます。

2. 社内から候補者を選ぶ
<メリット>
現場を知り尽くし、ほかの従業員や取引先からも信頼のおける人物を選べる。

<デメリット>
現場のエキスパートであっても、
マネジメント能力があるとは限らない点で、経営への不安が残ります。

3. 社外からヘッドハンティングする
<メリット>
外部人材の登用はマネジメント力に長けた人物や
企業経営や再建を成功させた実績のある人物を選べます。

<デメリット>
従業員の信頼が得にくい、従来の業務スタイルや社風と
新たな社長のやり方の違いから離職者が増える可能性があります。

4. M&Aにより株式譲渡する
<メリット>
M&Aによる事業譲渡では、従業員の雇用やノウハウを守ることができます。
また、シナジーを考慮した上で譲渡先を選定することにより、事業成長も期待できます。

<デメリット>
売却先の社風や雇用条件が変わることにより、従業員が離職していくリスクがあります。

#04 解決策を実行するにあたっての注意点

それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、
自社にとって良い手法で後継者問題を解決していきましょう。

実行するにあたり、注意すべきこともあるので意識した上で行動していきましょう。

1. 親族から後継者を見るける場合
創業者一族を後継者に選ぶ際は、突然抜擢するのではなく、
一般社員として入社させ、5年から10年程度は会社で経験を積み、
社内での信頼を得て業務でも実績を残しておくことが望まれます。

2. 社内から候補者を選ぶ場合
社内人材の登用にあたっては、早期から数名の候補者を選び、
マネジメント職として育成しながら、絞り込んでいくことが必要です。

3. 社外からヘッドハンティングする場合
オーナー企業の経営権を引き継ぐ場合、元々の株式所有者から株式を買い取る必要があります。
また、多くの中小企業では会社の借金の連帯保証も引き継ぐことになるため、
社外からヘッドハンティングする場合は、
後継社長にとってメリット・デメリットになりうることをしっかりと伝えた上で、交渉していきましょう。

4. M&Aにより株式譲渡する場合
M&Aを実行するには専門的な知識が必要となるため素人が行うことは難しいです。
M&Aサービスを行っている会社に相談しながら承継計画を行いましょう。

会社としてもテレワーク手当として、在宅勤務による環境整備費や光熱費・備品購入の
補助をしていく企業が増えてきております。

また、始業時は適正な身だしなみで行うことも定着していくと良いでしょう。

#05  後継者問題に対して早期の準備により成功した事例

最後に、実際にあった事例を紹介していきます。

とある中小企業の社長が、55歳の時に事業承継について考え出しました。
63歳の時点で社長の座を退こうとの方向性を決め、後継者の選定に入りました。

子息は大学生でしたが、家業とは異なる方向への就職を希望していたため、
社内から登用し、勇退するまでの間に育成することを決めておりました。

そこで、社内から事業継承の候補者を選ぶことを選択した社長は、40代の中堅人材を候補に選びました。
しかし、与えられた仕事はしっかり行う、社内外からの評価も高い人物でしたが、
周囲を見渡すことや自ら方針を立てて現場を引っ張っていくタイプではないことが懸念でした。

そこで、約6年の歳月をかけて、管理職や社長補佐などのポストを与えて、
マネジメント職としてのノウハウを伝授しながら能力を育みました。
その後、2年間、副社長に就任させ、社長がフォローしながら実質的な経営を任せて、
計画通りに勇退と社長交代を実現させています。

シームレスな事業承継ができたとともに、社内外の信頼も厚く、
承継後もうまくいっている成功例です。

 

中小企業で多くの企業が悩み始めている後継者問題に対して、
早めの準備や対応をすることで問題解決が可能となります。

自社にとってどのように解決していくことが適しているのか検討し、
アドバイザリーに相談してみてはいかがでしょうか?

弊社では、経営者のご意向を重視した上で最適な選択肢のご提案を行っております。
少しでも気になる方はお気軽にご相談くださいませ。

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